猫の写真の撮り方完全ガイド
目線・光・シャッターチャンスのコツ

写真の撮り方

水彩風で描いた猫のイラスト

犬の撮影が「コミュニケーション」なら、猫の撮影は「観察と待ち伏せ」です。呼んでも来ない、ポーズなんて取らない、でもふとした瞬間に息をのむほど美しい。それが猫。この記事では、そんな猫の習性を逆手に取った、猫専用の撮影テクニックをまとめてお届けします。

大原則: 猫は「撮らせてもらう」もの

まず心構えから。犬のようにおすわりを頼んだり、目線を要求したりする撮影スタイルは、猫にはほぼ通用しません。猫の撮影は、猫のペースに人間が合わせる「待ちの撮影」が大原則です。

でも、これは悪いことではありません。ポーズをしない猫は、裏を返せば、いつでも自然体だということ。作られていない、ありのままの美しさを撮れるのは、猫の飼い主の特権です。焦らず、猫の生活リズムを観察するところから始めましょう。

光: 猫と窓辺は、最強の組み合わせ

幸運なことに、猫は自分から「いちばん写真映えする場所」に行ってくれます。それが窓辺です。日向ぼっこを愛する猫は、やわらかい自然光が入る特等席に自然と集まります。

窓からの光は、毛を一本一本ふんわり見せ、瞳の複雑な色彩を輝かせてくれます。猫が窓辺にいたら、それは撮影会の開催合図です。逆光気味なら、毛のふちがきらきら光る「ふち光」のドラマチックな一枚も狙えます。顔が暗くつぶれるときは、画面の顔をタップして明るさを少し上げましょう。レースカーテン越しの光なら、さらにやわらかい雰囲気になります。

目線: おもちゃと音で「一瞬」だけもらう

猫のカメラ目線は、長くは続きません。狙うのは「一瞬」です。カメラを構えたまま、もう片方の手で猫じゃらしを持ち、レンズのすぐ上で小さく揺らします。視線がおもちゃ=ほぼレンズに向いた瞬間を連写。

音も有効です。ビニールをくしゃっとさせる音、おやつ袋の音、口で鳴らす「チッチッ」。ただし猫は音にすぐ飽きるので、一つの音は一撮影で一回きりの切り札と心得てください。名前を呼ぶのは、反応してくれる子なら最後の手段に。

水彩風で描いた猫のイラスト
瞳に光が入った一枚は、それだけで作品になります。

シャッターチャンス: 猫の一日は狙い目だらけ

寝姿(難易度: 低)

1日の大半を寝て過ごす猫は、寝姿こそ撮影の主戦場です。ごめん寝、へそ天、あごのせ、しっぽ巻き。動かないのでブレず、じっくり構図を選べます。寝ている場所の光が悪ければ、無理に動かさず、また別の寝床のときに撮ればいい。猫は一日に何度も寝場所を変えてくれます。

毛づくろい(難易度: 中)

毛づくろいは、しなやかな体の美しさが出る絶好のシーンです。長い舌、伸びた前足、ひねった体勢。連写で撮ると、思いがけずコミカルな瞬間も混ざります。毛づくろいは食後に始まることが多いので、ごはんのあとはカメラを手元に。

遊びの時間(難易度: 高)

ジャンプや狩りのポーズは、猫写真の花形にして最高難度です。コツは、猫を追いかけないこと。おもちゃを動かす場所を決めて、そこにピントを合わせて待ち伏せ、飛び込んできた瞬間を連写します。ジャンプは頂点で一瞬止まるので、そこが狙い目です。

ひなたぼっこ・外を眺める時間(難易度: 低)

窓の外の鳥や虫をじっと見つめる横顔は、猫のハンターの顔がのぞく名シーンです。本人(本猫)は集中しているのでカメラを気にせず、こちらはゆっくり構図を選べます。何を見ているんだろう、と物語を感じさせる一枚になります。

構図: 猫の目の高さ、ときどき真上

基本は犬と同じで、猫の目の高さまでしゃがむこと。床すれすれから撮ると、猫の世界に入り込んだような臨場感が出ます。

そして猫には、もうひとつ特別なアングルがあります。真上からの見下ろしです。香箱座りやくつろぎ姿を真上から撮ると、丸いフォルムと模様の美しさが際立ちます。SNSでも人気の、猫ならではの構図です。

連写と無音: 猫撮影の二種の神器

表情も体勢もころころ変わる猫には、連写が必須です。10枚20枚撮って、ベストの一枚を選ぶ。特にあくびは、開き始めから閉じるまでを連写すると、豪快な瞬間が必ず1枚は残ります。

また、シャッター音に敏感な子には無音対策を。音量を下げる、無音撮影に対応したモードや設定を使う、少し離れてズームで撮る。警戒させないことは、次の撮影チャンスを守ることでもあります。

黒猫・白猫・キジトラ、毛色別ワンポイント

  • 黒猫 … 明るさを少し上げて、瞳のキャッチライトを最優先に。黒猫の金の瞳は最高の被写体です。詳しくは黒い子専用記事で。
  • 白猫 … 白飛び注意。明るさは気持ち下げめに、ピンクの耳と鼻を大切に写します。
  • キジトラ・サバトラ … 縞模様は光で立体感が出ます。窓辺の斜め光で、模様の美しさを主役に。
  • ハチワレ・三毛 … 模様の境目が個性。お顔の模様がはっきりわかる正面〜斜めの角度が鉄板です。

多頭の猫たちを撮るには

猫同士がくっついて寝る「猫団子」は、多頭飼いのご褒美シーンです。起こさないよう静かに近づき、全員の顔が見える角度を探して数枚。片方が毛づくろいをしてあげている瞬間や、しっぽが重なっている足もとのアップも、狙い目の尊いシーンです。

全員カメラ目線の集合写真は、猫では ほぼ奇跡なので、狙わなくて大丈夫です。それぞれのベストショットを別々に撮っておけば、あとからイラストで一枚に集合させるという方法もあります。

スマホの便利機能を、猫仕様で使いこなす

最近のスマホには、猫撮影と相性のよい機能がいくつも積まれています。まず連写(バースト)からのベスト選び。連写した束の中から、スマホが自動でおすすめの一枚を提案してくれる機種が増えており、あくびや遊びのシーンで威力を発揮します。

シャッターの前後を記録してくれる機能(iPhoneのLive Photosなど)も猫向きです。撮った瞬間の少し前にベストの表情があった、という猫あるあるを救済してくれます。あとから好きなフレームを選んで静止画として書き出せるので、「押すのが一瞬遅れた」が失敗ではなくなります。

設定のグリッド表示(9分割線)もオンにしておきましょう。線の交点に猫の目を置くだけで、構図が安定します。道具の準備はこれで完了。あとは猫の気分次第です。

撮った写真の、その先へ

猫の写真がたまってきたら、ベストの一枚を選んで、飾る・待ち受けにする・イラストにする楽しみへ進みましょう。気ままな猫のふとした表情は、やわらかな水彩イラストとの相性が抜群です。

うちのこびんでは、写真3枚から選ぶ1枚を初めての方限定で無料でお作りしています。今日の窓辺で撮れた一枚が、お部屋に飾る作品になるかもしれません。写真選びのコツはこちらの記事をどうぞ。

よくある質問

カメラを向けると、すっと目をそらされます

猫にとって「じっと見つめる」は威嚇のサインなので、レンズを警戒するのは自然な反応です。対策は、カメラ越しににらめっこしないこと。ゆっくりまばたきをして敵意がないことを伝えつつ、視線を外して気配を消し、猫が油断した瞬間に撮る。猫との駆け引きも撮影の楽しみです。

夜行性なのか、夜のほうが活発です。夜の撮り方は?

夜の室内は光量不足でブレやすいため、部屋の照明を全部つけて、いちばん明るい場所での遊びを狙いましょう。それでも厳しければ、動画で撮っておいて、あとでベストの瞬間を切り出す方法が確実です。活発な時間帯の激しい動きは、動画に任せるのが賢明です。

抱っこやカメラ目線を強要すると嫌われますか?

無理強いが続くと、カメラ自体を嫌いになってしまう子もいます。嫌がるそぶり(耳が横に倒れる、しっぽを強く振る)が見えたら、その日は撮影終了に。「カメラが出てきても嫌なことは起きない」という信頼が、長い目でいちばん多くの名場面を連れてきてくれます。

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