じっとしてくれない子の
ブレない写真の撮り方

写真の撮り方

水彩風で描いたジャックラッセルテリアのイラスト

シャッターを押した瞬間に動く。近づいてくる。走り去る。じっとしてくれない子の撮影は、まるで運動会です。でも、動く子には動く子の攻略法があります。この記事では「止まってもらう作戦」と「動いたまま撮る技術」の両面から、ブレない写真への道筋を示します。

ブレの正体は2種類ある

まず敵を知りましょう。写真のブレには、被写体が動く「被写体ブレ」と、撮る手が動く「手ブレ」の2種類があります。じっとしない子の写真は、たいてい両方が合わさっています。

手ブレは、スマホを両手で持ち、脇をしめ、ひじを体につけるだけでかなり減ります。壁やテーブルに体を預けるのも有効。残る被写体ブレを、これからの作戦で攻略します。作戦は5つ。全部やる必要はなく、うちの子に効きそうなものから試してください。

作戦1: 連写で「数うち」戦法

動く子の撮影は、一発必中を狙わないのが大原則です。シャッターを押しっぱなし(またはスライド)で連写し、20枚30枚の中からベストを選びます。動きの中の一瞬だけ、奇跡的に静止して見えるコマが必ずあります。

連写のコツは、動きが「折り返す」瞬間を狙うこと。ジャンプの頂点、走ってきて止まる直前、おもちゃに飛びつく直前。動きが一瞬ゼロになるポイントは、実はブレません。

作戦2: 「待ち伏せ」で撮る

動く子を追いかけてカメラを振り回すと、ブレは悪化します。逆転の発想で、こちらは動かず、その子が来る場所で待ち伏せしましょう。

おもちゃを投げる先、ごはんのお皿の前、いつものお昼寝スポット。「必ず通る場所」にカメラを構えて、フレームに入ってきた瞬間に連写。カメラが固定されているぶん手ブレも消え、成功率は追いかけ撮影の何倍にもなります。写真の世界で「置きピン」と呼ばれる、プロも使う正攻法です。

水彩風で描いたビーグルのイラスト
遊びに夢中の瞬間こそ、その子のいちばん生きた表情です。

作戦3: 動画で撮って、あとで切り出す

どうしても止まらない子への最終兵器が、動画からの静止画切り出しです。写真ではなく動画で30秒回しておき、あとで再生しながらベストの瞬間で一時停止し、その画面を保存します。

スマホの機種によっては、動画からフレームを写真として書き出す機能もあります。画質は写真撮影よりやや落ちますが、「奇跡の表情を確実に捕まえる」性能は最強です。じっとしない子ほど、動画併用をおすすめします。SNS投稿やスマホで見る用途なら、画質差はほとんど気になりません。

作戦4: 撮る前に「発散」させる

身も蓋もない話ですが、効果は絶大です。お散歩や遊びで思い切り体を動かしたあとの子は、満足して落ち着き、撮影のゴールデンタイムに入ります。

疲れて伏せた姿、遊びきって舌を出した笑顔、うとうとし始めた横顔。じっとしてくれないのは元気が余っているサインなので、先に発散、あとで撮影。この順番を覚えておくだけで、撮影の成功率は見違えます。散歩帰りの玄関先や、遊びのあとの水飲みタイムは、狙い目の定番スポットです。

作戦5: カメラに「慣れて」もらう

カメラを向けると逃げる子は、スマホを構える動作そのものを警戒しています。対策は、スマホを持ったまま撮らずに遊ぶ時間をつくること。スマホ=何も起きない、と学習してもらえば、警戒は解けていきます。

また、シャッター音に驚く子には、音量を下げる・無音撮影に対応した設定やモードを使うなどの配慮も効きます。少し離れて2倍ズームで撮るのも、プレッシャーを減らす良い手です。慣れは数日〜数週間かかることもありますが、一度慣れれば一生ものです。

性格タイプ別・攻略のヒント

ビビリさんタイプ(カメラから逃げる)

無理に近づくのは逆効果です。ズームで距離をとり、目線をカメラに求めない「何気ない風の写真」から始めましょう。慣れてきたら少しずつ距離を詰める。焦らないことが、結局いちばんの近道です。

かまってさんタイプ(近づきすぎてドアップになる)

カメラを構えると突進してきて、鼻のドアップしか撮れない子。これは家族の出番です。一人が遊び相手になって注意を引きつけ、もう一人が少し離れて撮る。二人体制が組めない日は、突進してくる姿をあえて連写すると、勢いのある楽しい写真になります。

マイペースさんタイプ(こっちを見ない)

目線をくれない子は、無理に振り向かせず、横顔や後ろ姿の名手になりましょう。何かを見つめる横顔、遠くを見る背中。目線なしの写真は、実は物語性ではカメラ目線に勝ります。

ブレた写真も、捨てないで

最後にひとつ。多少ブレていても、表情が最高なら、それは失敗作ではありません。ブレは躍動感でもあり、その子の元気の記録でもあります。

そして、輪郭が少しあまくても顔の特徴がわかる写真なら、イラストの素材としては十分使えることが多いのです。「ブレてるけど、この顔がいちばんうちの子らしい」という一枚があったら、イラスト化という救済ルートも思い出してください。動きの写真しかない子ほど、イラストにしたときの喜びは大きいものです。

よくある質問

子犬・子猫が特に撮れません

パピー・キトン期は、動く子界の最高難度です。寝ている時間を狙うのが唯一にして最強の攻略法。この時期の寝顔は今しか撮れないので、動く姿は動画に任せて、写真は寝顔を量産しておくのが賢い配分です。あっという間に大きくなるので、撮れるうちに撮っておいて損はありません。

散歩中の歩き姿を撮りたいのですが

歩きながらの撮影は危険なので、まず立ち止まりましょう。リードを踏むか短く持って安全を確保し、少し先を歩く家族に呼んでもらって、向かってくる姿を待ち伏せ連写。一人のときは、電柱などでリードを一時固定できる場所で試してください。

おやつで釣ってばかりで、体重が心配です

おやつは「ここぞ」の一瞬用に、ごく小さくちぎって使うのがコツです。普段のごはんの一部を撮影用に取り分ければ、総量は増えません。音の出るおもちゃや、名前を呼ぶ・口笛など、カロリーゼロの注目集めと組み合わせて節約しましょう。

連写した大量の写真、整理が大変です

その日のうちにベスト1枚だけ「お気に入り」を付け、残りは翌日以降にまとめて消すのがおすすめです。選ぶ基準は迷ったら「表情優先」。整理術は別記事でも扱う予定ですが、まずはこの習慣だけで破綻しなくなります。

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