ペットの絵を自分で描いてみたい人へ。
やさしい始め方ガイド
うちの子の絵を、自分の手で描いてみたい。そう思ったことのある飼い主さんは、実はとても多いはずです。でも「絵心がないから」と諦めてしまう方も、同じくらい多い。この記事は、そんな絵心ゼロを自認する方のための、いちばんやさしい始め方ガイドです。うまい絵ではなく、「うちの子への愛が伝わる絵」を目指しましょう。
最初に知ってほしいこと: 「似てない」は失敗ではない
始める前に、いちばん大事な心構えをひとつだけ。初心者の絵が実物に似ないのは、当たり前のことです。プロでも最初の一枚から似せられる人はいません。
それでも描いた絵には、写真にはない不思議な魅力が宿ります。ゆがんだ輪郭も、大きすぎる目も、描いた人の「かわいい」という気持ちの形です。飼い主さんが描いたヘタウマな一枚が、家族のいちばんのお気に入りになる。そんなことは、ごく普通に起こります。
道具は3パターン。まずは家にあるもので
パターン1: 鉛筆とコピー用紙(費用0円)
最初の一枚に、特別な道具はいりません。鉛筆1本とコピー用紙で十分です。消しゴムで直せる安心感は、初心者の最大の味方。まずはこの構成で3枚描いてから、道具を考えても遅くありません。
パターン2: 色鉛筆(費用1,000円前後から)
色を塗る楽しさを味わうなら、色鉛筆が扱いやすさで頭ひとつ抜けています。12色セットで十分。毛の流れに沿って軽いタッチで重ねると、ふわふわ感が出せます。水彩色鉛筆なら、あとから水を含ませた筆でなぞるだけで水彩画風にもなり、一本で二度おいしい画材です。
パターン3: スマホやタブレットで(無料アプリ)
無料のお絵描きアプリと指があれば、デジタルでも始められます。やり直しが無限にできて、画材の片付けも不要。「アンドゥ(元に戻す)」があるだけで、初心者の心理的ハードルは劇的に下がります。レイヤー機能を使えば、下描きの上に清書を重ねる、という便利な描き方もできます。
写真の「見方」がわかると、急に描ける
初心者と経験者の差は、手先の器用さより「見方」にあります。写真をそのまま写そうとせず、いったん単純な図形に置き換えて見るのがコツです。
たとえば犬の顔は「丸」、マズル(口まわり)は「小さい丸」、垂れ耳は「三角」。チワワなら大きい三角の立ち耳、トイプードルなら輪郭のまわりにもこもこの雲。うちの子を図形の組み合わせとして見られるようになると、絵は一気に描きやすくなります。
かんたん5ステップで、顔を描いてみよう
では実際に、正面向きの顔を描いてみましょう。お手本の写真を横に置いて、次の順番で。
- 1薄く大きな丸を描く(顔の輪郭のアタリ。ゆがんでOK)
- 2丸の中心に十字線を薄く引く(目と鼻の位置決めのガイド)
- 3横線の上に目を2つ、十字の交点の下に鼻と口を描く
- 4耳としっぽ、体のアタリを足す(耳の形がその子らしさの7割です)
- 5アタリを整えて、模様や毛色を塗る
ポイントはステップ2の十字線です。目の位置が決まらずに顔が崩れるのが初心者の定番のつまずきですが、ガイド線があれば防げます。プロも使う、由緒正しいカンニングです。
「うちの子らしさ」は特徴3つで決まる
そっくりに描けなくても、その子らしく見せる近道があります。うちの子の特徴を3つだけ選んで、そこを少し大げさに描くことです。
垂れ目気味なら思い切り優しい目に。左耳だけ折れているなら、そこを必ず描く。鼻の横のちょび模様、しっぽの巻き具合、口角の上がり方。家族だけが知っている特徴こそ、似顔絵の命です。写真を見ながら「この子といえばココ」を3つ、紙の端にメモしてから描き始めてみてください。
犬と猫の描き分け、ここだけ押さえる
犬と猫は骨格が違うので、同じ描き方だと「犬っぽい猫」になりがちです。初心者が押さえるべき違いは3つだけです。
- 輪郭 … 犬は丸+マズル(口まわりの出っぱり)、猫は丸に近い逆三角で、マズルはほとんど出しません。
- 目の形 … 犬はまん丸、猫はアーモンド形。猫の目を丸くしすぎると子犬に見えます。
- ひげと耳 … 猫はひげを長くはっきり、耳は大きめの三角に。犬は犬種ごとの耳の形が命です。
この3点を意識するだけで、シルエットの段階から「ちゃんと猫」「ちゃんと犬」に見えるようになります。慣れてきたら、うさぎは丸+長い楕円の耳、ハムスターはおにぎり形、と小さな家族にも応用できます。
水彩に挑戦したくなったら
淡いにじみの水彩画は、ペットの絵と最高に相性のよい画材です。敷居が高そうに見えますが、100円ショップの固形水彩と筆で始められます。ひとつだけ投資するなら紙。コピー用紙は水でよれるので、「画用紙」か「水彩紙」と書かれたものを使うと、にじみが素直に広がって気持ちよく描けます。
コツは、水多め・絵の具少なめで、薄い色から重ねること。輪郭からはみ出したにじみは、失敗ではなく水彩の味です。むしろ、にじみの偶然を楽しめるようになったら、水彩はもうあなたの画材です。
挫折しそうなときの処方箋
- 「全然似ない」とき … 写真と絵を並べて、違う場所を1つだけ直す。全部直そうとしないのが続けるコツです。
- 「時間がない」とき … 1日5分、耳だけ・目だけのパーツ練習でも立派な上達です。
- 「飽きてきた」とき … 画材を変えると新鮮さが戻ります。鉛筆に飽きたら色鉛筆、紙に飽きたらアプリへ。
- 「人に見せられない」とき … 見せなくていいんです。うちの子と自分だけのお楽しみで何の問題もありません。
上達がはやい人の、2つの習慣
たくさんの初心者を見てきた絵の先生たちが口を揃える上達の近道は、意外にもシンプルです。
ひとつは、同じ子を何度も描くこと。毎回違うモチーフに挑むより、うちの子だけを10回描くほうが、確実に上手くなります。10枚を並べれば、成長の記録にもなって一石二鳥。もうひとつは、好きなイラストの模写です。好きな作家さんのペットイラストを真似して描くうちに、線の引き方や省略のしかたが体に入ります(模写の公開は控えて、練習用にとどめましょう)。
描いてもらう楽しみも、また別もの
自分で描く楽しさを知ると、プロの仕事のすごさもわかるようになります。自分の絵は自分の愛の形、プロのイラストはうちの子の魅力の再発見。これは競合ではなく、両方楽しめるものです。
うちのこびんでは、写真からやさしい水彩風のイラストを、初めての方限定で1枚無料でお作りしています。自分で描いた一枚と、プロが描いた一枚を並べて飾る。それは、うちの子がどれだけ愛されているかの、なによりの証明になると思います。
よくある質問
本当に絵を描いたことがありません。何から?
この記事の5ステップを、今夜そのままやってみてください。所要15分、道具は鉛筆と紙だけ。1枚目は必ず納得がいきませんが、それが正常です。3枚描くと、確実に3枚目がいちばん上手くなっています。その実感が、続ける燃料になります。
子どもと一緒に描きたいのですが
最高の週末の過ごし方です。お子さんは大人より思い切りがよく、特徴のとらえ方が大胆なので、むしろ大人が学ぶことも多いはず。同じ写真を見て家族それぞれが描き、うちの子品評会を開くと盛り上がります。
手先に自信がありません。年齢的にも不安です
絵は指先の運動というより、見る力の趣味です。線が震えても、味になるのが手描きのよいところ。実際、シニア世代から絵を始めて長く楽しむ方はとても多く、ペットという最高のモデルが家にいる飼い主さんは、始める条件が揃っています。
デジタルで描くなら、ペンは必要?
指でも描けますが、細かい表情を描きたくなったら数百円〜のタッチペンがあると快適です。高価な液晶タブレットは、続くと確信してからで十分です。
初めての方限定
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