ペットの遺影はイラストでも。
写真からつくる、やさしい遺影のかたち

メモリアル

水彩風で描いたトイプードルのイラスト

大切な家族を見送ったあと、「遺影を用意してあげたい」と思ったとき。写真をそのまま飾るのもすてきですが、じつはイラストの遺影という選択肢もあります。この記事では、イラストの遺影が選ばれている理由と、飾り方・サイズ・印刷の方法を、静かにご紹介します。

ペットの遺影に、決まりはありません

人の葬儀とちがい、ペットの遺影には「こうしなければならない」という決まりやしきたりはありません。正面を向いた写真でなくても、あらたまった一枚でなくても大丈夫。お散歩の途中の横顔でも、おもちゃで遊んでいる笑顔でも、飼い主さんが「この子らしいな」と思える一枚が、いちばんの遺影です。

ですから、写真で残すか、イラストで残すかも自由です。どちらが正しいということはなく、「毎日目にするものとして、どちらが心地よいか」で選んでいただければと思います。

お別れの場でも、おうちでも

ペットの葬儀や火葬の場に、遺影を持参する方は年々増えています。祭壇のそばに写真やイラストを飾れる斎場も多く、お別れの時間をその子の顔とともに過ごすことができます(飾り方の可否やサイズは斎場によって異なるため、事前に確認しておくと安心です)。

そして遺影の役割は、お別れの日だけでは終わりません。むしろ長いのは、そのあとの毎日です。お仏壇やメモリアルコーナーに、リビングの棚に、玄関に。毎日の暮らしの中で目にするものだからこそ、「見るたびに心が少しあたたかくなる一枚」を選んであげたい。イラストの遺影が選ばれている理由は、まさにそこにあります。

写真の遺影と、イラストの遺影

写真の良さは、その日その瞬間の姿がそのまま残ること。毛の一本一本まで、たしかにそこにいた記録として残せます。

一方でイラストには、写真とは少しちがうやわらかさがあります。とくに淡い水彩のタッチは、輪郭や背景がふんわりとにじむぶん、見るたびに胸がぎゅっと苦しくなりすぎない、そっと寄り添うような距離感があります。「写真を見るとまだ涙が出てしまうけれど、イラストなら穏やかな気持ちで眺められる」という方は少なくありません。

水彩風で描いた柴犬のイラスト
水彩風イラストの作例。淡いにじみが、やわらかい印象をつくります。

イラストの遺影が選ばれている理由

  • やわらかい雰囲気で、毎日の暮らしになじむ。
    淡い色合いの水彩イラストは、リビングや玄関に飾っても重くなりません。
  • いちばん好きだった表情を選べる。
    複数の写真の中から、その子らしい表情をもとにお作りできます。
  • 古い写真や、少しぼやけた写真からでも。
    「きれいな写真があまり残っていない」という場合でも、イラストなら形にできることがあります。
  • 飾る場所やサイズを選ばない。
    データで受け取れば、小さなカードサイズから額装用まで、暮らしに合わせて印刷できます。

実際のイラストの雰囲気は、作例ギャラリーでご覧いただけます。

もとにする写真の選び方

イラストの遺影は、お手持ちの写真をもとにお作りします。「ちゃんとした写真がない」と心配される方も多いのですが、次の3つを目安に探してみてください。

1. 顔がはっきり写っていること

いちばん大切なのはここだけです。多少ぼやけていても、暗くても、お顔の特徴がわかればイラストにできることがほとんどです。カメラ目線でなくても、横顔でもかまいません。

2. 「その子らしい」と感じる表情であること

おすまし顔よりも、笑っているように見える瞬間や、甘えているときの表情のほうが、あとから見返したときに温度が残ります。家族それぞれが「らしいね」と言える一枚を、みんなで選ぶ時間も、大切な思い出になります。

3. 古い写真しかなくても、あきらめないこと

ガラケー時代の小さな画像や、プリント写真をスマホで撮り直したものからでも、形にできる場合があります。まずは手もとにある写真の中から、いちばん好きな一枚を選んでみてください。

水彩風で描いた猫のイラスト
お気に入りの表情の写真から。猫の作例。

飾り方の例

お仏壇・メモリアルコーナーのそばに

お骨やお花と一緒に、小さなフォトフレームに入れて。L判(89×127mm)ほどの大きさなら、限られたスペースにも自然に収まります。

リビングや玄関に

「特別な場所」ではなく、家族が毎日行き交う場所に飾るのもすてきです。ふとした瞬間に目が合って、思い出話がこぼれる。そんな飾り方をされている方も多くいらっしゃいます。

お財布やスマホの中に

小さく印刷してお守りのように持ち歩いたり、スマホの待ち受けにしたり。いつもそばにいてくれる感覚を、静かに持ち続けられます。

なお、遺影は1枚に絞らなくても構いません。仏壇のそばには落ち着いた一枚、リビングには笑顔の一枚、と場所ごとに違う表情を飾るご家庭もあります。データのイラストなら、同じ一枚を何枚でも印刷できるのも心強いところです。

水彩風で描いたシェルティのイラスト
額に入れても、そのまま立てかけても。シェルティの作例。

人の遺影の「慣習」は、気にしなくて大丈夫

人の遺影では、正面向き・落ち着いた背景・あらたまった服装、といった慣習を意識される方が多いと思います。ペットの遺影には、そうした決まりごとを持ち込む必要はありません。

大好きだったおもちゃと一緒でも、ベッドでくつろぐ姿でも、舌を出した笑顔でも。「きちんとした一枚」より「その子が幸せそうな一枚」を選ぶご家庭がほとんどですし、それがいちばん自然だと思います。額縁も黒縁にする必要はなく、お部屋になじむ明るい色でかまいません。

手元供養と組み合わせる

近年は、お骨の一部を小さな骨壷やペンダントに納めてそばに置く「手元供養」を選ぶ方が増えています。遺影のイラストは、この手元供養ととても相性がよい存在です。

小さな棚にお骨とお花、そしてやわらかなイラストを並べれば、それだけで世界にひとつのメモリアルコーナーになります。仰々しい祭壇ではなく、暮らしの中に自然に溶け込む「あの子の場所」。イラストのやさしい色合いが、その空間全体をあたたかくしてくれます。

サイズと印刷について

イラストを画像データで受け取ったら、ご自宅のプリンターや、コンビニのマルチコピー機で印刷できます。よく使われるサイズの目安は次のとおりです。

  • L判(89×127mm) … フォトフレームの定番。お仏壇のそばにも。
  • 2L判(127×178mm) … 少し大きめ。リビングに飾って映えるサイズ。
  • A4 … 額装してお部屋の主役に。

コンビニでの印刷手順は、コンビニ印刷の解説記事にお店ごとの操作方法をまとめています。

よくあるご質問

いつまでに用意すればいいですか?

期限はありません。四十九日や一周忌などの節目に合わせて用意される方もいれば、数年経ってから「やっと向き合えた」と作られる方もいます。あなたのペースで大丈夫です。

元気なうちに作ってもいいのでしょうか?

もちろんです。むしろ、元気ないまの表情をたくさん残しておくことは、この先のどんな日にも代えがたい贈りものになります。「遺影のため」と考えなくても、いまのその子の一枚として気軽に作ってみてください。

データはどう保管すればいいですか?

スマホ本体だけでなく、GoogleフォトやiCloudなどのクラウドにも保存しておくと、機種変更や紛失のときにも安心です。ご家族のスマホにも共有しておくと、いつでもみんなが見られます。二度と撮れない写真とイラストだからこそ、置き場所は二重にしておくのがおすすめです。

おわりに

遺影を用意することは、義務ではありません。気持ちの整理がつかないうちは、無理に急ぐ必要もありません。いつかふと「あの子の顔を、あたたかい形で飾りたいな」と思える日が来たら、そのときに、その子らしい一枚を選んであげてください。

この記事が、その日のための小さな参考になればうれしいです。

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